2015年5月30日土曜日

楕円形の思想

今回の五芸の少し前、、非常勤で行かせていただいている学校に、
見学の方が来られた。
美術専任教員のお知り合いで、フランスからの御旅行だとのこと。
ハマモトより、5つほど上の、石鹸職人の方だった。
(御本人から許可を得て載せさせていただいております。)



お互い日本語なまりの英語、フランスなまりの英語でアーウー言いながら、
なんとか話した。
「ワタシ見学した授業で、先生が話しているトキ、生徒が私語するの、
とても驚きました。」
「汝、なにゆえにそう感じたるや?」
「フランスでハ、ありえない。教室から追い出されます。」
「そは、仏国にての通常なる行為ならんや?」
「ふつうよ。」

ああ、そうなんだよ、ちゃんと怒るんだよ。

「これ、ワタシフランスからスミレの紅茶持ってきた。飲んでみて。」
「承知。我持って帰りてのち、味わわんとす。」
「いいえ、感想を聞きたいから、今飲んでミテ。」

ああ、忘れていた。このここちよいストレートさだ。
海外の人と話すと、単純な英単語の応酬になるので話が大変率直になり、
向こうも元々直球なのでむしろ気分がよい。
最近、自分はしかるべきときしかっていたか。また率直であったかどうか。
何か反省してしまった。
ちなみにお茶は、よい香りでうまかった。
「美味なり。」というと、「そう!」と笑っておられた。

自分はむかーし南仏を訪れたことがあり、彼女も南仏の生まれとのことで
聞いてみると、やはり共通で知っている場所があり、盛り上がった。
やはりこういった状況でのご当地トークは鉄板であろう。
で、問うてみた。
「さても南仏なれば、ラグビーもなお盛んならん。いかに?」
「ウォーララ~、ゥォ゛グビー!」
一気にボルテージが上られた。

フランス語発音だと、自分の耳にはラグビーが「ゥォ゛グビー」と聞こえる。

「アナタラグビーするの?ポジションはどこ?フランカー?セ、ボーン!」
いきなり大喜び、どうされたのか。
「ワタシも若い頃ラグビーやってた。アナタと同じFWよ!プロップだけどね!

あ、そーなんだ。やってはったのね。そう、プロップ・・・プロップ!?

写真の通り、すらっとむしろ細い方(バレエもしていたとのこと)だが、
あなた最前列だったの?
「ワタシの腕と背中、さわってよ!キンニクしっかりあります。」
(ポンポン)「確かに。」
「オトコの子に混ざってやっていた。ラグビーとっても面白い。今でも好き!」
「されど汝の体はスマートなる。それをプロップとはいかに?」

「ワタシの両親、バスク人。バスク人は力が強い。だからワタシも力ある。
だからプロップしてた。」

自分はこの言葉の持つ意味に、すこしふるえた。