2011年8月14日日曜日

観念の中の兄弟たち

国立民俗学博物館、通称みんぱく が好きだ。
ここの世界各国の民俗を観ていると、日本人とは何か、という強い思いにとらわれる。
単純に展示物の造形や発想も十分面白いのだが、しかし。
われわれ日本人のルーツはどこからやってきたのか。
ユーラシア大陸の東端という地理的理由から、北・南・西から移動してきた流れが
集中し、混ざっていくことで日本人が形成されていったようだ。
トゥングース系モンゴロイド、ウラル・アルタイ語族と分類されているそうだが、さて。
北日本の人々には、コーカソイド(白人)の遺伝子を持つ人さえもあるというから、
大雑把な分類でしかくくれないものなのかもしれない。

閑話休題。
みんぱくのオセアニア展示が一新されたのを記念し、その一地域・ニュージーランド
の文化紹介があると聞き、行った。
これは捨て置けない。ネイティヴNZ、マオリの文化に触れるチャンス。目指すは
「生ハカ」である。
いっぺん目の前で見たかったのだ。
会場はみんぱくのエントランスホールに座布団といういい感じのもので、一番前に
陣取って観た。
いやー、良かった。感動した。
今までモニターか遠くからしか見たことがなかったので、願いがかなった。





画像があまりいいのがないが、それは本番中、観るのに集中していたからである。
目の前で見ると、やはりすごい迫力だった。

ついでに、演技の後のワークショップにも参加し、ハカ教室にておなじみ「カマテ」
を習った。
NZ代表・オールブラックスの踊るあれだ。見よう見まねで知ってはいたが、やはり
ちゃんと習っておきたかったもので。習ってどやねんっちゅう話だが、そこはひまな
時に一人で踊って「ほっほ、いい気分。」となるのである。

これもついでに、独特の「モコ」と呼ばれる刺青や、マオリに特徴的な目をむき、
舌を出すゼスチュアの意味をたずねてみた。

2011年8月9日火曜日

楕円の磁力なお強く

個展の関係で東京に行っていた。
毎年東京のラグビー者、ヒラノ女史とお会いする。今年もお酒を傾け
つつ、情報交換、ラグビー談義に花が咲いた。
ヒラノ女子と話していると、まだまだ自分は「ラグビー者」の名を冠する
には青いわいと痛感する。
おそらく時期が時期なら、女子ラガーとしてプレーしておられたはずだし、
男性であったなら、さぞやアツいラガーマンになられていたことであろう。

フランスのラグビー雑誌を見せていただいたが、以前日本ラグビーを追放
(正確には無期限試合出場停止)になったクリスチャン・ロアマヌ選手が、
フランスプロリーグ・ディビジョンA、トゥーロンで大活躍している様子。
「Lomu le Japon」
と書かれていた。いわく「日本のロムー」。うーむ、複雑。
写真で見ているとさらに身体が大きくなり、以前よりいかつくなっていた。
自ら問題を起こして無期限出場停止になったのだからしょうがないのだが、
その力は勿体なかったかな。
なんとも。

さて、銀座で飲んだ後(こう書くとなんだか豪遊しているように感じるが、
ハイボール一杯250円、つまみ300円台の大変庶民的かつオツなバーで
あった。)、一度別れ、新宿はゴールデン街のお店で再び落ち合ったので
ある。すると。
そこでヒラノ女史より、一人の男性を紹介されたのだが、縁とはこういうもの
をいうのであろう。キタジマ氏とおっしゃる方で、一目で経験者とわかった。
自分よりも10ほど上の方であるが、なんと学生のころ、夏の菅平で京芸と
試合をしたことがおありになるという。
現在40代半ばのOBさんで、そのころの記憶をお持ちの方はおられまいか。
日大商学部ラグビーサークルである。
われわれでいうと、モゲさんのちょっと上になられるだろうか。

そして、氏の勤務地がかつて、鳥取県のハマモトが生まれ育った町で
あったと知り、まあおったまげた。
「名探偵コナン」の作者・青山剛昌の出身地でもあり、それにあやかった
「コナンロード」なんてなベタな観光名所が作られていて、そこ設置された
コナンの銅像が盗まれて、役場の人が困っていたとか、まさか東京新宿で
実家のイベント「すいか・ながいも健康マラソン」の話でなんぞで盛り上がる
とは思わなんだ。

大変気さくな方でお話していて楽しかったのであるが、実は上記の事実、
ヒラノ女史もご存知でなかったということで、女史自身、「なんだよこりゃあ!」
と驚いておられたわけで、まったくの偶然に発覚したキタジマ氏とハマモトの
共通点であったのである。
恐ろしい確率ながら、「濃い」縁だ。
来年もぜひ会いましょうと約束しさよならしたが、翌日キタジマ氏、ハマモトの
個展にも来場くださり、なんすれぞうれしからずやだったのである。

ヒラノ女史、キタジマ氏、まこと以ってありがとうございました。

まったく人生というのは面白い。
それまで何のつながりもなかった相手と突然つながり、えにし浅からぬ間柄
ができあがるのである。