2008年6月26日木曜日

ウイスキーは胃の腑で燃え

先日、現役チームの四芸お疲れコンパに誘っていただいたので行って来た。
恐らくOBは自分だけであろうと思っていたら、ウチヤマ君とカオル君がいたので安心した。

早いものだなあと思う。
この前入ってきた一回生がもう四回生で引退なのである。願わくばマネージャーもプレーヤーもラグビーを通してよい思い出を作ることができていて欲しいものである。
そして願わくばこれからOG、OBでも楽しんで欲しい。

引退したヤマグチ君は
「スタンドとして、人を使えるプレーをしたいし、周りからの声で動くプレーもしたい。」
というような意味の話をしてくれた。

お酒も入り気の大きくなっていた自分は
「君のその思いはOBチームでこそ実現するであろう!」
などと、予言者みたいなことを言ってしまった。
でもまあ事実ではあるし、うそにはなるまい。前言撤回はしないのである。

ウチヤマ君、カオル君とは、お酒を飲む飲まないにかかわらず、話し出すとほぼ確実に
「次のOB戦はこれで行こう」
という作戦会議になってしまう。これがまた楽しい。
詰め将棋(それよりも100倍楽しい作業だが)の攻め手守り手を考えるようなもので、飽きないのだ。そしていつも
「これで絶対勝てる。」
という結論に達する。そして自分たちの行きたいポジションはここ!と決めてしまうのである。
果たして作戦会議になっているのかということなのだが、お許しいただきたい。何せ楽しいのである。
そう、OB戦は楽しんでなんぼなのだ。現役の時にはなかなか味わえない実感ではあるかもしれない。上の世代のOBさん方が顔を出してくれるのも、一重にそれに尽きているからなのだろうと思っている。
見ていると、これから現役チームを盛り上げていく後輩達もまた、良い面子が揃っているように見受けられた。とりあえず自分の話した後輩達は、自分と同じ柔道出身の段持ちだったり、津軽三味線をやっていたり、筋金入りの阪神ファンだったり、おもろ楽しい面々だったのである。

馬上少年過グ
世ハ平ラカニシテ白髪多シ
残躯ハ天ノユルス所
楽シマズシテ如何セン

というのは、伊達政宗の詩だったか。
まだ白髪でも残躯でもないのだが、人生楽しめというところは大賛成なのだ。となど思っていたら、ウイスキーが回ってきて気がつくと結構酔ってしまっていたのである。そのまま加藤さんのお店「よっしゃ」に流れたのであるが、そこで今度はヨクラさんにばったり出くわし、そこでまた楽しかったのであった。

2008年6月23日月曜日

四芸金沢大会 OB戦レポート

遅くなってしまったが、金沢四芸OB戦の内容を載せておきたい。

最近慣れっこになってしまったように思うが、京芸以外の3校のOBさんたちの出席率がここ最近よろしくない。
今回も3校合同チーム対うちと言う形になってしまった。少しさびしいのであるが、どうしたらよいのかわからない。
たくさん集まってくださっていたことを憶えているだけに、皆さんお忙しくされているのであろうが、しかたない、とはまだ言いたくないのである。

愚痴めいてしまった。試合の内容を。
雨が降り出していた立ち上がりだったが、さほど気にはならなかった。むしろ気温がいい按配に低くなって、OBにとっては良いコンディションだったのではないか。
メンバーとしては若手が加入してくれていたのでやはりテンポが良かった。
FWにはウチヤマ君、カオル君。BKにはテツオ君、アンドー君、マッちゃん、サワ君。
6人若いメンバーが加わればフットワークも軽い軽い。
ボールもぽんぽん回っていった。ディフェンスも硬く、相手をノートライに抑えてしまったのである。
しんどいのが分かっている中手を尽くして勝つのは格別の面白さがあるが、しかし元気のいい駒を擁するゲームも楽しいものである。
後半になると相手チームにディフェンスをさせなかったのではないか。
良い形でノーサイドの笛を聞いた。

イガワ君が前歯を折る怪我を負ったのが一つだけ気になるところだったが(大丈夫だったのか?)速いテンポでボールが動き、集散も良かったように思うので、うまくチームの若返りがなされたのではないかと思う。

恐らく京芸OBはクラブチーム的にも結構実力あるのでは。
といつも思うのだけれど。

2008年6月7日土曜日

金沢の006

金沢四芸でつらつらと思い出すことについて。
今回はラグビーと全く関係がないのであしからず。

自分は、金沢でサイボーグ006を見た!いや、本当に見たのだ。

解説せねばなるまい。
今はなき漫画家・石ノ森章太郎の傑作、「サイボーグ009」にでてくる00ナンバーズの一員で006・張々湖(ちゃんちゃんこ)。中国人である。「〜アル。」と台詞に必ずつける人で、口から火を噴く。

ちなみに他の仲間はと言うと、
001・赤ちゃんエスパー、イワン・ウィスキー
002・空を飛ぶ優男、ジェット・リンク
003・地獄耳美人、フランソワーズ・アルヌール
004・全身これ凶器、アルベルト・ハインリッヒ
005・怪力巨人、ジェロニモ
007・変身おじさん、グレート・ブリテン
008・潜水大好き、ピュンマ
009・悩める加速男、島村ジョー
である。
「♪サイボ〜グ戦士、誰が〜ために〜たたかう〜♪」の主題化が懐かしい。

順を追って話したい。

前回の金沢四芸、前日から安井さんに連れてきていただいていた自分は、現役のミーティングに出たあと、若さんとアゲさん、安井さん、自分の四人で宿の近くにある、いい味出してる中華料理屋に入った。赤いのれんに提灯、さびれ具合と油による汚れ具合が自分好みの店だった。

ラーメンを頼み、ふと厨房に視線ををやると、自分は目を疑った。そこで中華なべを真剣なまなざしで振っていたのは、まさに006だったのだ。
似ている、というレベルではなく、三次元化したと言うのがあてはまる。
体形、顔つき。自分は感動した。思わずでてきた、握手してください、と言う言葉を飲み込んだ。
集中してはったのか熱かったのか、ご丁寧に目を細めて口をすぼめ、ふーっ、ふーっと今にも火炎を噴出しそうに息をついておられた。何とちょび髭までそのままなのだ。これはもう笑えなかった。感動した。
しかもマンガの中では、006張々湖は普段中華料理屋を経営していて、仲間に飯を振舞ったりしている。状況までぴったり!
1ミリのブレもないこのシュチュエーション。自分はどきどきしてあたりを見回してしまったのだ。水を運んでくるおねーさんが外人だった日にゃあ、その場で叫んでいただろう。
いやまて、あそこに座っている招き猫は実は007が化けているんじゃないか。油断するな!実はこの店の地下がギルモア博士の研究所なんじゃなかろかっ。
てな具合にもう妄想が広がりまくって往生こいたのである。

わくわくどきどき、たまらん楽しくなってしまっていた。
後で同席のメンバーにあのねあのねと話してみたのだけれど、誰も気付かなかったのだとのこと。ちとさびしかった。
だがすべて実話、誇張はしていないつもりである。金沢四芸には関係ないが、四芸に参加して得た思い出である。
ブラックゴーストにつぶされていなければ、またかの地のあの店に行きたいと今も思うのだが。
あ、ラーメンの味は普通であった。

2008年6月3日火曜日

ケイマン諸島の闘球士

現在、世界各地で次回世界杯のための地区予選が始まりつつある。
前哨戦はすでに開始されているのかと感心した。

その中にあって。
ケイマン諸島の代表選手として、一人の猛者が紹介されていた。
59歳(!)にして現役のテストマッチプレイヤーがいたのだ。ちょっと信じられなかった。
もちろん世界中見ても現役最年長である。ポジションは現在プロップ、普段は大工さんをしているのだとのこと。
ケイマン諸島という場所は住民の入れ替わりが早く、腰を据えて住むものが多くないのだとかで、いきおいプレーヤーも居つかない。30年間そこに住むかの選手は、過去すべての歴代ケイマン諸島代表に顔を連ねているそうだ。

「他にメンバーがいないもんだから、またやってくれと言われ続けてこのざまさ。一体いつになったら引退できるのかねえ。」

と、試合で作った青タンを顔に貼り付け、嬉しそうにコメントされていたのが印象的だった。だがしかしこの顔、絶対やめる気などないはずだと思った。
繰り返すが、もうすぐ還暦、初老の人なのだ。

いやー、やりゃあできるもんである。OBというかいまだ現役の定年還暦選手。字だけで見るとよく意味がわからない。そのぐらいすごいんだと思うが、これほどOBたる自分に夢を与えてくれたニュースは久しぶりに見た。
だって他のどんな団体スポーツにおいても、60歳になんなんとしている人間が、ある国の代表選手であり得ているなどと言う事実はラグビー以外にないのではないか。
乗馬や競輪、アーチェリーなどでは還暦近い選手はいるが、あくまで個人プレーの範囲の中でしかないのではないか。

やはりラグビーは懐のがいな(鳥取弁・大きい)スポーツなのだと再認識した。

言い換えれば、そういった魔法のような状況も事実として許容することのできる不思議なスポーツなのだろう。いずれにしろ、こういう選手の存在は、ラグビーと言うものを考える上で非常に意義深いものであると思う。

とりあえず自分は元気を与えられた。
60歳まではがんばろうとさっき決めた次第です。