2011年4月7日木曜日

エンター・ザ・ポンコツ

こないだ春合宿の練習に行ったら、いきなり怪我をした。

タックルありのタッチフット、要するにアタックディフェンスに参加したのだが、
キャプテンのタカダ君と顔面同士衝突し、自分は昏倒してしまったそうだ。

そうだ、と言うのは、事故のあった瞬間のことは全く記憶にないからで、
気がつくとひっくり返っており、病院でCTを撮られていた。

気を失っている間、夢を見た。
なんでも中央アジアはタクラマカン砂漠のようで、ラクダに乗ってふんわりと
旅をしている。
自分は、ラグビーボールを探す役目を負い、早く見つけないとな~なんて
考えつつ、今夜の宿を探しているのだった。
それがまた妙にいい気分で、目が覚めたときは、現実と虚構の区別がつかず、
あれ?ここはトルファン、ベゼクリク千仏洞のはずではないのかしらん?と、
しばしボーっとしてしまったのであった。

や、そんなたわごとはいい。
みごとにほっぺの骨が割れ、顔面右半分が腫れたおしとった。
頬骨弓というらしいが、誠に恥ずかしいことには、救急車まで来たとのこと。
現役の練習でぶっ倒れるOBなんて、なんと情けない姿をさらしてしまった
ことか・・・。
「あ~見事にいっとるねえ、骨がいっとるわ。」と院長が呑気に言った。
自分は怪我をしたショックで気分がへこみ、気持ちが引きこもりモードに
入ってしまったのである。

脳が揺れたせいで気分も悪く、何度か吐いてしもたせいもあり、ふらふらに
なって家に帰ってから、「翌朝になったら死んでるかもな」なんつって
おののきつつ早々に寝た。

実はその翌日の日曜日、春合宿シメの試合の助っ人を頼まれていたのだが、
怪我した土曜日の時点ではそれを断っていた。
しかし当日の日曜の朝、これではいかんと気分がいきなり上向いた。
このままではへたれOBになってしまう、ここはOBの心意気を見せとかねば
いかんせん!

今思えば別にそんなこともないだろうと思うのだが、へこんだ反動か、妙に
つっぱらがった気分になってしまったのである。
失神した翌日に、やっぱり試合に出なきゃやだとだだをこねるOB。
ああ、現役首脳陣はさぞ迷惑だったことだろう。分かってたんだが、すまん。
しかしそん時は、試合中に死すともやむなしみたいなテンションだったのだよ。
で、前半だけで手を打った。アドレナリンが出たかぜんぜん体がしんどくない。
でしゃばりおやじ世にはばかる、ご迷惑をおかけしました。

試合後少し痛みが残り、これは手術かな~なんて思っていたのだが、
顔の腫れが引いた今現在、問題なく生活できているので、元々病院が苦手
でもあるし、自然治癒にまかせている。怪我、無視。
眉を切ったときも、抜糸は自分でやってたしなあ。

顔の形が変わったわけでもなく、それを心配するような繊細な出来でも
なかろう。
じーさんになって変なことになってきたら、その痛みをサカナに酒を飲み、
思い出話のネタにするも一興、名実ともにポンコツになるのである。
のぞむところとカッコをつけておこう。