この名前は自分にとってはヒーローの代名詞である。
小学校低学年の頃、「ワールド・プロレスリング」全盛だった頃、
毎週日曜日のお昼のチャンネルはまさにこれだった。
いわゆる「イノキ世代」のほんの少し後の世代の自分は、
初代タイガーマスクの出るほんの少し前に物心がつき、プロレスに
はまった。
テリーは兄のドリー・ファンクJr.と「ザ・ファンクス」を組んで荒っぽい
戦いを繰り広げ、マスカラスは「仮面貴族」というコピーで美しい
ルチャを見せてくれた。
がきんちょだった自分はミル・マスカラス(千の顔)の意味がとんと理解
できず、「マス烏」という、今考えるとちょっと卑猥な認識でいたものである。
「スカイ・ハイ」の曲にのってメキシカンルックで入場し、「オーバーマスク」
(マスクの上にかぶっているマスク)をぱっと取り、客席に投げる。
かっこよかった~。のだ。
ザ・ファンクスはその必殺技そのままの名の曲「スピニング・トゥ・ホールド」
でテンガロンハット、カウボーイパンツで入ってくる。
「西部劇の人だ~。」これもかっこよかった。
若き古館伊知郎の名調子で
「あらぶるテキサス・ブロンコ!ザ・ファンクスであります!!」
「これぞ、これぞメヒコより来る謎の仮面貴族!ミル・マスカラス!!
今日も紳士であります!」
と実況されていたのが今でも耳に残る。
「ブロンコって何だ?メヒコ?何だそれ!!」がきの自分は興奮しつつも
わけがわからず、しかしそのわからなさがまた魅力になっていた。
やー、すごかったですよねあの頃のプロレスは。