2011年5月29日日曜日

四芸OBとして

長くなることをお許し願いたい。
 
先日の四芸、学食横でのこと。
東京OBコーヤさん、リョータローさん(ハマモトの1・2学年上)から、
ある話を聞いた。
東京芸大ラグビー部、現役部員減少のため、今後休部か廃部のおそれが
濃厚にある、とのこと。
その旨、東京・京都の年配OBに相談・報告の意味もこめて今回の京都
四芸に参加してくだすったらしい。
 
先に言っておきたいのは、これは卒業生として、また部OBとして、上の
お二人、かなり熟慮の上の、発言であったらしい。
 
相手のない限り、ライバルというものもありえない。加えてその相手
とは、約半世紀近くの付き合いなのだ。そんな相手は、すでに同じ道を
歩む「仲間」、苦笑い交じりの腐れ縁、うまし杯のトイメンであるはずだ。
それがわれわれにとっての東京芸大ラグビー部である。
京都芸大ラグビー部として、自分たちはこの「かけがえのない友人」の
危機に対し、どんな考え・態度で臨むべきであろう。
 
手前勝手ながら、私見を述べる。
 
若手OBは、現役チームの状態をより把握しやすい状態にある。現役の
声を直接聞いたり、忌憚のない思いを目の当たりにしたり。
それは現在のわれわれの中では、ライメイ君が筆頭としてやってくれて
いる形になっているが。
もちろんこのお二人だけではないが、知っている限りでもチャーリーさん、
アニキさん、スグルさん、ヤスさんそして前出のコーヤさんとリョータロー
さんも、実は卒業して10年以上が経っていながら、ずっとトーキョーの
現役と関わり、影に日向にフォローをしてこられた。それ自体は特に特筆
することではないだろう。ただ、間近に見守り続け、現役とOBのパイプ役
を努められてきたからこそ、まさに生の現状を目の当たりにしてこられた
に違いない。
しかるに、つぶさに見てきた要素を集め、「休部・廃部」という言葉を
そこから引っ張り出さねばならなかった無念を思うと、つらくなる。

だれだって思い出深いかつての居場所を失うなんて、そんな選択をしたい
わけがないのだ。 
だからこそその話を聞いたとき、「さてこそよくぞ話したまえるものかな。」
自分は感じ入った。四芸の打ち上げの場で、口にしづらい話題をなぜに
せねばならなかったか。
 
そこに自分は事の重大さとお二人の思いの強さを見たように思った。
だってそんな場所でそんな話題を持ち出したら、どんな言葉が返ってくる
火を見るよりも明らかだ。自分たちが槍玉に上がってお叱りをこうむる
のはわかりきっているではないか。
あえてその役回りを選びそれでも東京ラグ部の現状と展望を話してくれた
一時をもって、自分は思うのである。

東京の80年を超える伝統は、すばらしい。すばらしいとともに、それは、
重い。
ある一面「誇り」となりつつ、状況によってそれにとらわれてしまった場合、
重圧以外の何者でもなくなってくるのではなかろうか。大変不遜な意見で
あることを意識しつつ言う。
ただ、それが身にしみて理解できているのはわれわれOBであるのには他
ならないはずだし、さらに若手OBであればあるほど、理解しやすいはずで
ある。
1世紀になんなんとするその歴史と伝統、魂。
それは何なのか。どういった形のものか。
それは必ずしも、現役部員の数と活動のありように左右されるものではない
と思う。
知っている者たちのありように一重にかかっているように思えならない。

自分がこれほどラグビーに染まり、「京芸ラグビーでよかった」と思い、
お会いしたこともない三宅先生の姿が頭の中で像を結ぶ理由は、それを
伝えてくだすった先輩OBのおかげである。そして、伝えられた場面は必ず
しもフィールドだけではなかった。
ほとんどが、練習や試合以外の場所や機会においてであった。
前にもどこかで書いたのだが、伝統と歴史とは、OBの存在そのものである
と思う。
何が言いたいのかというと、「存続の危機」で部員勧誘に走るのが本当に
いい方法とは思われない。
本当の危機とは、現役部員がいなくなったあと、何かを伝える立場のOB達
が熱を失ってしまったまさにその時だと思う。
現役の活動に固執してしまうのは、なにか理論のすりかえになってはいま
いか。そも部員の勧誘は、主に現役部員の仕事なはずではなかったろうか。
また、存続危機の責任を一部の人間に帰するのも間違いである。
その責任は、今まで四芸に関係してきた四つの学校OB全てに、すこしづつ、
等分にある。
敵同士ではありながら、かたっぽ欠ければ成立しなくなる関係の相手を大切
にしなくてどうするのか。

ラグビーは、もっと柔軟で、自由なものであるはずだ。無くなったとて、
復活のための前向きな方法はいまだたくさんあるはず。
とりあえずOBとしてわれわれができることといえば、熱を失わず伝えて
いくこと、ではないだろうか。
そして四つのラグビー部の現役同士・OB同士で、今よりもつながりを強く
していく必要もあろう。その動きの中で東京復活の方策を考えていくという
のはいかがか。
競技人口の減少とか、生徒数の伸び悩みとか、社会的な理由もあり、四芸
ラグビーが山あり谷ありなのはしゃーないと思う。


この問題は、なにも東京だけではない.いつ自分たちに降り掛かってくるか
わからないはず、他人事にはしたくないのだ.

ただ、自分は実は悲観はしていない。
具体的なことはまだないのだが、たとえ一時期、東京が活動停止に追い込ま
れても大丈夫。われわれ四芸OBがしっかりしていれば、絶対に東京芸大の
ラグビーは無くならない。現役部復活のチャンスは必ずある。
それは伝統や歴史が途絶えるということでもない。無くなっていたその期間
でさえ、歴史に刻まれるのだ。その間のことを肴に語り合うのも一興となる
だろう。
それを乗り越えて復活する集団は、たぶん強い。
実はそこが楽しみでもあったり。


東京特有の、チョモランマの頂から崩れ落ちる雪崩かのようなテンションから
くりだす怒濤の攻撃をまた見てみたい。

コーヤさんやリョータローさんをはじめとする東京OBを前向きに応援しよう。
「東京芸大ラグビーはな、ええぞ。」と若者に伝えていくのに、さて、われ
われは何をしていくべきか。本気で考える時が来ている。

上に書いたことは全て自分の青臭い理想論で、気分を害された方もおられる
かもしれない。稚拙な文でもあり、大変恥ずかしくどうかお許しいただきたい
が、しかし、無茶苦茶でも理想がない限り、それを目標とした考えも動きも
できないと信じるので、あえて書かせていただきました。
四芸にお世話になり続けてきた自分の、OBとしての個人的な意見として
お受け取りください。しかし、何かの形で東京芸大を応援できればと思って
おります。


ひとまず、東京芸大ラグビー部にエール三唱!!


Three cheers for Tokyo Geidai !  Hip! hurrah! Hip! hurrah! Hip! hurrah!



2011年5月17日火曜日

沖縄が入ったらしいな

さて、四芸が始まる(沖縄県芸が参入したことで五芸祭)。

どういった形であれ、その年の現役チームの総決算にすべき
イベントであるわけで。
今年のチームはいかがであろう。

先日の新歓OB戦で感じたことであるが、何人か、おっと感じた
成長株がいた。めちゃめちゃ勝手ながら。

まずは院生なのだが、ミキ君が以前からすばらしい。
センターらしいええタックルをしはるようになった。多分あれは
強い背筋のなせる技なのだろうが、ミディアムレアの塩と胡椒
でやればおいしい赤身なはず。
加えておそらく、彼の中で「見切り」の感覚ができたのであろう。
それは、「あ、ここだ。」というポイントを見分けるセンスである。
それをモノにすると、試合がかなり楽になる。
そうなるとインサイドプレイも上手くなるので、先日の試合では
モールの中で、このやろっ!となってしまった。
しかし、あれでよい。反則じゃないしどんどんやるべきである。
センターのナイスタックルは試合の流れを一気に変えるので、
がんばって欲しいが、現役チームで出るのかな?

そしてもう一人はこれも現役ではないが、イッシ君。
派手ではないが、堅実なプレーを狙い、それをしているのが
見えた。渋いプレーヤーになりはじめている。
ポイントの核になりつつあるのを本人は気づいているだろか。
往年の名ロック、新日鉄釜石の桜庭選手を彷彿とさせる。
褒めすぎか?
しかし彼も現役チームで出るのかどうか。OB側かな?

OBばっかり褒めたところで益もなし。現役ではどない。

No.8、カオル君を推したい。
もともとタッパがあるので、がむしゃらにプレーするようになった
いま、敵側に立つとかなりやっかいな存在になってくる。
彼のショートへの走りこみと前向きな意志は、フォワードリーダー
たる資質を感じるが、まだ抑えきれないことはない。
彼のがむしゃらさは今の時点では大変重要なものであり、周り
が見えるようになるにはもう少し時間が要る。今はあのままで
暴れまわっていたらよろしい。それよりも、彼のプレースタイル
なら、もう少しパワーとスピードが必要であり、その点がもうちょい
なのである。
もう一つは、つっこむ彼へのフォローが薄いので、孤立してしまう
のだ。んで、結局ボールを奪われるが、そこは塊としてのFWの
意識の問題であって、実はそこが気になっている。

あと一人、FWで率先して動く者がいないと、具合がよろしくない
のではなかろか。
それが上手くいけばFWが有機的に動き出すのだけれど。
だーれかいないかな~なんて気がしているのだが。

よくもまあ手前勝手にごたくを並べたてる、うるさくえらっそーな
OB風情の自分であることよなあ。毎度すいません。

後成長株といえばSOアキラ君なのだが、今は悩ましいところで
あろう。
未経験者でSOはまあ大変やろうと同情するのだが、彼のため
には大事なことだし、勉強の四芸にしてほしい。

四芸にはOB・OG一人ひとりに ひきこもごもの思いがあり、それを
語りだすと止まらんくなるので、今日はこの辺で。
とどのつまり何が言いたかったのかといえば

がんばったんさい現役。

の一言なのである。