精神的にひじょーにつらくてしんどいとき、こんな早口言葉を思いつき。
「はは」と自分を慰めていた。
言葉によるマスターベーションなんつったら、さらにむなしいぞ。
「この釘は引き抜きにくい釘。」より
このくにはいきぬきにくいくに。
このくにはいきぬきにくいくに。
和歌の如くに掛詞なんか使ってみたりして。
この国は生き抜きにくい国。
この国は息抜きにくい国。
二重の意味である。
そう、真面目にしんどいときでさえ、こんな下らないことを考えてしまう
性分なのであることよなあ、自分は。
閑話休題。
去年か一昨年辺りから、ウィスキーが好きになってしまった。
それまでは自分の中でウィスキーっつったら「悪酔いのスイッチ」
でしかなかったのに、180度嗜好が変わってしまったのである、なぜに?
そら、やはりおいしいヤツを飲んだからだろう。
逆に言えば、30過ぎるまで飲んだことのあるものなど、コンビニで
販売している安ウィスキーばっかりで、かつビールをあおるピッチで
杯を重ねてしまう自分の悪癖もあり、良いイメージを持てなかったのだ。
不思議なもので一度美味いと思うと、飲み方にも気をつけるようになり、
シフトダウンしてちびちび飲めるようにもなってきた。時々失敗をしちまうが。
今のところ、シングルモルトが好きだが、おいしければ何でもいい。
自分の場合、すっと飲めるやつがよろしい。
確かにおいしいものは一口目が甘い。これは驚きであった。
ただ同時に、しかしながら、おいしさと熟成年数と値段は三つ巴で比例して
いるのである。
自分の財布では手が出ないので、大阪梅田の阪急で「量り売り」してくれる
店を見つけ、ちびっとづつ買っているのである。
せこい話だが、それでもちゃんとしたお酒が味わえる幸福は、なかなか
甘美なものなのだ。
自分も三十路の半ばにさしかかり、そういったものに嗜好を求めることで
いっぱしの「通」たらんとしているのかというと、さにあらず。
おいしいお酒をあおって、楽しく酔いどれおやじと化したいのである。
できれば酔った勢いでクダなんか巻いてみたりしたい。
そこはほら、ぼく、小心もんですから。
クダを巻くだけ巻いて、翌日うっすらとした二日酔いの中、
「たはは、やっちまった。」
なんつって自己嫌悪に陥るのも悪くない人生だと思うのである。