参加、観戦を含め、OB戦やその他ラグビー部に関するイベントに、興味を持っておられる
OB・OGの方々に改めて思う。「なぜそんなに?」と。
それは、現役生である後輩たちにはなかなか理解しにくいかもしれない。
然るにそれは畢竟、卒業生が現役の頃楽しんだから、あるいは楽しまずとも何かを得た
からに他ならない。
逆に言えば、一瞬にしろ真に楽しむだけの事を行い、刻み付けられるほどのことを体験した
者達が、今でも影に日向に関係してくれるOB・OGの皆さんであるはずなのだ。
そういった皆さんに尋ねれば必ず、その人それぞれのそうした話が口から流れ出ること
だろう。
前述の実感を得ぬまま、卒業してからわざわざ遠くから足を運んでくださるなどという、
見方によったら酔狂とも思えることをやってくれるわけはないのだ。
前回のセイジさん杯で言うなら、サワ君は神奈川から、ミヤニシさんならバイクで奈良から、
京都のはじっこにやって来て体を張ったプレーをしてくれるのだ。
何でやと思いなはる。
OBプレーヤーで言うならこんなあたりだ。
「現役の頃厳しい練習に耐え、自分は何かをつかんだ。その実感を追体験するために。」
他の理由もあるかも知らん。
しかし概ねこうではなかろうか。
つまりOB・OGは、楽しむに見合うだけのしんどい目を見ながらラグビーをしていたのだ。
若いマネージャーの訴えは、そこにあったのではないかと自分は理解している。
「厳しさを持ってくれ」と現役キャプテンに気持ちをぶつけていた。
おそらく、かなり長いこと胸に抱いておられたような印象を受けたが。
表面的な装いだけでは、絶対にラグビーは上達しない。
自分を追い込む、追い込まれる厳しさがなければ、強くはならないように思う。
そして「サークル」と「部」の違いは、まさにそこにある。
また、京芸ラグビーの「魂」というものの根幹も、そこにあるような気がすんのだけども。
厳しくやっている、だからこそ「底辺で胸を張れる」のだ。
胸を張ってやれていたからこそ今、OB戦にも来られるし、来たくなる。
胸を張ってやれていたからこそ、息切れしつつもそれなりに強い。
少なくとも、今の現役チームよりははるかに。
そしてマネージャーの彼女は、そんなOBに勝ってくれろ、胸を張ってくれろとキャプテンに
訴えていた。
一番身近な敵に勝ってこそまずワンステップ「がんばっとんねや」と実感が持てるのだし。
女の子にそんな調子で言われて、がんばらなきゃあ男がすたるってえもんよ。
自分は意地悪にも、キャプテンにOB常勝宣言をした。マネ子さんと同じことを考えていた
からだ。ここ最近ずっと思っていたことでもある。
「このままだったらOBがずーっと勝つよ。」
「いや、そんなことはありません。」
「いや、勝つって。」
「いや、そんなことはありませんて。」
押し問答になったのだが、その理由はマネ子さんが滔々と語ってくれたので言わなんだ。
「だって今のOB達は現役の頃、君らより厳しくやってたもん。」
と思いませんかね。ハマモトの自惚れだろうか。
体力・スタミナ・スピード、全てにおいて現役の方に分があるのは道理なはず。
経験や技術を駆使したとしても、OBが不利なのは明白なのであって、それでも大差で
OBが勝ってしまうというのは、われわれがよりひたむきにボールにからむからなだけなのだ。
これからの現役の成長に期待したい、そして変わって欲しい。ま、次のOB戦も勝つけどな。
「OB殺!」と言うくらいの殺気を持ってぶつかってきて欲しいもんだ。現役たちよ。
自分は現役の頃、結構そんなつもりでやっていた覚えがあるし。
ともあれ、大きなテーマが与えられた。
現役プレーヤーたちよ、マネージャーの思いに応えろ。