2010年2月23日火曜日

シヤワセの楕円形

久々の更新になってしまった。

つい昨日、日曜のこと。3時も半ばになるころだったか。
公園でまどろんでいた。何とはなく買った、片手にはビールである。
さほど寒くもなく、のどかな空気、ええあんばい。
ええ年こいた三十路男が、公園でビール片手に和んでいる風景は悲惨なのか否か、そこは措く。

目の前には、子ども達がハイトーンの歓声を上げ、ボールなど蹴って遊んでいる。
ふと、それにまぎれてある親子連れが、これもボールで遊んでいた。父・母・娘の三人で。
最初は楽しげに、ドッヂボールの練習をしていた様子であったが、父が二人に声をかけた
様子だった。
声の聞こえる距離ではないものの三人、娘を中にして横に並び、ボールをやり取りし
始めたのだが、それ、どう見てもラグビーのパスなのである。しかも小走りにライン回しの
ようなことまでやっている。
自分、かなりハートウォーミング、さらに心が和むのであったが、すばらしいのは、その
家族の楽しげな様子だった。おどけつつ、終始笑顔でパスを送っているのである。
ボールは丸いものだったが、されどその瞬間、、確かにその家族の中においての絆は、
ラグビーによってはぐくまれていたのを自分はまのあたりにした。

ああ、お父さん、お母さんと娘さんにスクラムまで組ませて、ご自分はボールインと。
かつてのポジションはSHだったのですねお父さん。あ、サイドアタックまで。
お次は子どもさんにプレイスキックを教えておいでですか、ご自分で両手を上にあげ、
Hポールのつもりなのですね・・・。

よろしい、たいへんよろしいものを見させていただきました。
そのとき不覚にも、自分は泣きそうになった。滂沱の涙を流す所であった、うるうる来た。

彼らの幸せげな笑顔、たまの休みに家族でささやかにいつくしみあう場面に、他でなく
ラグビーが媒体としてあったのだ。
理屈はよう分からん、よう分からんが、なぜか自分はラグビーやっててよかった!
なんてな感慨を抱いたのである。
「巨人の星」の伴宙太のように、「俺は今、モーレツに感動している!」という思いだったのだ。
それは、体にあまねくいきわたったビールのアルコホル分のせいだけではなかったはずである。

自分が垣間見たある家族の幸せの形は、そのとき確かに楕円形であった。

二歳くらいの男の子が、ビール飲みながら目を潤ます自分を不思議そうにながめながら
砂場の砂を掘っていた。
心が安らいだんだぜということを言いたかった。

創作ではなく、実話として。