久々の更新になってしまった。
つい昨日、日曜のこと。3時も半ばになるころだったか。
公園でまどろんでいた。何とはなく買った、片手にはビールである。
さほど寒くもなく、のどかな空気、ええあんばい。
ええ年こいた三十路男が、公園でビール片手に和んでいる風景は悲惨なのか否か、そこは措く。
目の前には、子ども達がハイトーンの歓声を上げ、ボールなど蹴って遊んでいる。
ふと、それにまぎれてある親子連れが、これもボールで遊んでいた。父・母・娘の三人で。
最初は楽しげに、ドッヂボールの練習をしていた様子であったが、父が二人に声をかけた
様子だった。
声の聞こえる距離ではないものの三人、娘を中にして横に並び、ボールをやり取りし
始めたのだが、それ、どう見てもラグビーのパスなのである。しかも小走りにライン回しの
ようなことまでやっている。
自分、かなりハートウォーミング、さらに心が和むのであったが、すばらしいのは、その
家族の楽しげな様子だった。おどけつつ、終始笑顔でパスを送っているのである。
ボールは丸いものだったが、されどその瞬間、、確かにその家族の中においての絆は、
ラグビーによってはぐくまれていたのを自分はまのあたりにした。
ああ、お父さん、お母さんと娘さんにスクラムまで組ませて、ご自分はボールインと。
かつてのポジションはSHだったのですねお父さん。あ、サイドアタックまで。
お次は子どもさんにプレイスキックを教えておいでですか、ご自分で両手を上にあげ、
Hポールのつもりなのですね・・・。
よろしい、たいへんよろしいものを見させていただきました。
そのとき不覚にも、自分は泣きそうになった。滂沱の涙を流す所であった、うるうる来た。
彼らの幸せげな笑顔、たまの休みに家族でささやかにいつくしみあう場面に、他でなく
ラグビーが媒体としてあったのだ。
理屈はよう分からん、よう分からんが、なぜか自分はラグビーやっててよかった!
なんてな感慨を抱いたのである。
「巨人の星」の伴宙太のように、「俺は今、モーレツに感動している!」という思いだったのだ。
それは、体にあまねくいきわたったビールのアルコホル分のせいだけではなかったはずである。
自分が垣間見たある家族の幸せの形は、そのとき確かに楕円形であった。
二歳くらいの男の子が、ビール飲みながら目を潤ます自分を不思議そうにながめながら
砂場の砂を掘っていた。
心が安らいだんだぜということを言いたかった。
創作ではなく、実話として。