2010年11月15日月曜日

頭脳戦快楽

先日、大阪の本町にある「ブルーモンク」というバーで、鈴木常吉氏のライブを楽しんだ。
「深夜食堂」と言うドラマの挿入歌をうたう人だが、よかった。
客は自分を入れて15人だった。もっとも、それで店内は一杯だったのだが。
現代フォークと言ったらいいのかどうか知らないが、こういうジャンルも楽しい。
亡くなってしまったが、 高田渡といい、ギターひきがたりで歌う人からにじみ出るゆる~い
あの感じは、いかしてるなあ、 といつも思う。また行こう。

美術部の顧問のほか、演劇部の副顧問なんてのもしている。ひょんなことで、その演劇の
脚本を書くことになり、はっきりいって全く何もわからないが、書いている。
1970年代の飲み屋台での、60年代安保の残党の殺し合いという救いの無い一幕になる予定。
意識して高校生向きではない 話にしている。やはりゆがんどるな俺は。
そんな中、引率である劇場に行くと、こんな写真が掛けてあった。






どう見てもラグビー部OBの出で立ちである。かなり自然なので、おっと思ってしまった。
20年近く前に演じられた劇だそうだが、どんなものだったのだろうか。
ちなみに一番左の明らかにプロップの人は、渡辺徹である。う~ん、リアルだ。

閑話休題。
先日、後輩Fjino君からのコメントがあって思い出すことがあったが、OB戦の時、やりにくい
現役、というキャラクターがある。そのトップがまさに彼であった。
策士、と言おうか。
断っておくに、評価のつもりで書いている。
経験者と言うこともあろうが、彼が首脳陣の時のOB戦は、毎回かなり緊張した。
普通にやると負けるからだ。
どういうことかというと、頭を使わんければいけなかったのである。

自分は、頭を使って物事を行うことが苦手だ。戦国時代でいうと、自分は陣頭に立ち、
いの一番に敵陣に突っ込み、真っ先に殺されるタイプである。それなのに向こうの出方を
予測してOBチームの策を練るなんて、戸惑うっちゅうか、できん。
しかも戦局によって方針を変えていくのだから、毎回一杯いっぱい だった。

ここでタックルに行かねばならないが、いけば絶対にボールを回される。でもいかな
しゃあない、という状況を作ってくれやがるのだ。この感じ、分かっていただけると思う。
しかしそのおかげで、それまで知らなかったラグビーの領域を知ることができ、非常に
ためになった記憶がある。
自分の脳髄の少ない要領を精一杯活性化し、シナプスを痙攣させ、OBになってやっと
初めて「頭を使ってラグビーをした」。

そういった意味で、Fjino君には感謝の念を持つ自分である。

そして、そういうこともあり、彼を味方に置いて試合をすると非常に心強い。
とはいうものの、彼だけでなく、実は京芸のSHはそういった頭脳派プレーヤーが多い
ように思う。
自分の知っている限りでも、タクミさん、 ケンタさん、フジイ君、ユウキ君、そしてフジノ君、あ、
言うてもた。
適材適所なのかなとも思うが、うらやましいなあ。だって、恐らく自分にはSHはできないと
思うからだ。

2010年11月5日金曜日

小景異情

衣類を片付けている途中、体動かす用衣類の中からぽろりと。
クラシックスタイル・ヘッキャである。
もうこのタイプの製品は製造してないんじゃなかろうか。
 次にあるOB戦では、これを着けて出てみようかななどと思っている。


先日、仕事帰りの電車に乗ると、車両に自分ひとりであった。
なんだか気分が大きくなり、荷物を座席に投げ出し、斜めに座って
足を組み、放屁などしてから本を読んだ。
乗り換えの駅まで王侯貴族。

もちろん駅に着くまでに屁の痕跡は雲散霧消、何食わぬ顔で
降りたのである。アット・ザ・十三。

そして小用をもよおしたのではばかりに入ると、ちょっと聞いてくださいよ。
一人の若者が小便をしていたのだが、大きなスポーツバックを左肩に掛け、
右手で放尿を保持しつつ、左手で携帯電話メールをしてやがったのである。
もちろん彼の顔は左に向けられ、携帯の画面を見つめているのだ。
便器からは完全に視線を外しとるわけだこれが。

自分は一瞬、不覚にもあっけに取られ動きが止まったもんだ。

だって自分だったらば、おしっこしようと思ったらまず両手で支え、
ちんちんの先を凝視し、まなじりをあげてふっとばかりに殺気を込めた
上でなかったら、用などとても足されたものではないのである。
さなきだに顔なんぞそむけようものなら、便器から水流外れ、自分の
足やらトイレの床やらをびちゃびちゃにすることは必定、一気に迷惑な
社会不適合者になりさがってしまうことうけ合いだ。

なのにこの若造ときたら、小粋なグローバル・スタイルで片手おしっこを
かましてけつかる。なんたる八面六臂ぶり、現代人、ながら族のはしり。
かっ、阿修羅が。
そのこわっぱ、メールと小便を同時に終え、携帯電話を、ぱこん、と
二つ折りにし、ちょっとあごを上げつつW.Cを出行きくさったのだ。
なんだか劣等感に襲われた自分は、少し背を曲げ、搾り出すように用を足し、
外に出た。
風がだいぶと寒く感じた。

しかしそういえば、彼の若者は手を洗わずに出て行ったのではなかったか。
はは、グローバルも地に堕ちたものだ、最後の最後で過ちを犯しよった。
自分は洗ったぞ。
気化熱でひんやりするまだ濡れた手を見て、自分は明日もがんばって
生きて行こうと心に誓った。


自分の目にした、霜月朔日の風景の活写である。