ラグビーは、頭を使うスポーツである。
しかし、バカでもできるスポーツである。
自分は、試合中、脊髄反射でプレーしている。何も考えてない。
でも、走っていられる。
どんな試合でも「勝とうが負けようが必ず一回はビッグプレーをする。」
が最低限の自分のラグビー原理である。
自分はバカであると定義してよい。
ラグビーは、スマートな選手が必要だ。
しかし、バカでも役に立つ。
言葉ではなく、いいプレーを見せてもらったり、したりすることで、
理論を超えた試合の流れっつーものが一変するときがある。
「バカの壁」を超える瞬間が、ラグビーにはある。
だから、自分でも役に立ってるよな、と思えるときがある。
先日、つっても春合宿OB戦の時だが、試合終了間際、自分は
久しぶりに、上記の事でテンションがきゅーっと高まるのを実感した。
ゴール前8メートルでの現役側ペナルティ。
突っ込んでこようとする現役たちに、ゴールラインに居並ぶOBたちは
なんとしたか。
クラウチングスタートで、足首に突き刺さるタックルをかましていた。
そして現役の攻撃を防ぎ切った。
それを見て、「ふ、ふおーっ!!」となった。脳内麻薬が出たねありゃ。
ホンマにOBのプレーかいな、とわっくわくしたのである。
どう防ぐか、どういう選択をするか、でなく。
止めたんねん!というハートの部分をまざまざと見た。
成功失敗に関係なく、こういった心意気をみせられると、どうなるか。
「このチームのために骨でも削っとこか」という気分が自然に生まれるのだ。
これ、自分だけ?
こういう、理論を介さず、直接中枢神経に注入されるような「実感」は、
今の社会ではなかなか得られないように思う。
だからラグビーが好きだし、その感覚を与えてくれるOBチームが面白い。
ぜひ現役のプレーヤーたちにも味わってほしい感覚ではあるのだが、
それが「自分たち次第」にまかされる部分、教えられるものでなし、
歯がゆいところだ。
水木しげるのたまうところの「バカになりなさい」と表現するしかないか。