クリント・イーストウッド監督の映画が、来年上映される。
「インビクタス・負けざる者たち」
1995年、南アフリカ開催のラグビー世界杯が舞台である。
ネルソン・マンデラ役でモーガン・フリーマン、南アキャプテン・ピナール役でマット・デイモン。
まず、主なストーリーがラグビーを中心に 展開されていく人間ドラマである、というのが斬新である。ラグビーは漫画にするにも映像にするにも、難しいスポーツなのに。
成功例は、「スクールウォーズ」くらいしか自分は知らない。
1995年の世界杯と言えば、自分が大学2回生の時で、タイムリーに観ていた大会だけに、感慨が
ないでもない。
それまで海外のラグビーを見たこともなかったので、プレーのすごさに驚きまくっていた。
日本代表が145対17と言うものすごい点差でNZ代表に負けた大会でもある。なんか別のスポーツを
観ているような感じがしたのを覚えている。
NZ代表は、まだ大学生だったSO、アンドリュー・マーテンズ、世界最高のFLと呼ばれていた
ジョッシュ・クロンフェルド、怪物WTBジョナ・ロムーなど、漫画みたいなすごい選手がごろごろ
していた。後はSHのグレアム・バショップ、No.8ジェイミー・ジョセフもいた。この二人は後に日本
代表としても活躍している。
前評判ではNZ優勝というのが濃かった。
それまでアパルト・ヘイトを国是とし、そのせいで世界から孤立していた感のあった南アフリカだが、
同時にそこの代表チームも国際試合に出てくることはなかった。出させてもらえなかったのである。
だから正味な話し、南ア代表がどんな強さなのかよく分からなかったらしい。
しかし決勝戦、NZの相手は南アだった。神がかり的な強さで勝ちあがってきた。
その試合は、80分戦って12対12(お互いノートライ)と言う異常にロースコアなまま10分間の
サドンデス・ゲームに入っていた。
南アは、ロムーの「怪走」を押さえ、NZのゲインを許さない。南アFBのユベールと言う選手は、
手首を骨折しながらもフルで出ていた。そして、恐らく焦ったのだろう、NZのおかしたペナルティから
ゴールを狙い、見事にキックを決めて世界杯初出場で初優勝を成し遂げた南アだったのである。
印象的だったのは、勝利を決めた瞬間、南ア選手達はキャプテンのピナールのところに走り寄り、
輪になってひざまずき、何事か言葉を交わしていた風景だった。何かに祈っているようにみえた。
ぴょんぴょんはねて喜ぶのではなく、厳粛な感じさえした。
その時ネルソン・マンデラ大統領は、代表チーム・スプリングボクスのジャージを着ており、その
背番号はキャプテン、白人選手のフランソワ・ピナールの「6」だった。
ところで、本当に死力を尽くして勝ったとき、人はなぜか「祈り」の姿勢になる。以前ジョージ・
フォアマンの話を記事にしたが、45歳で世界ヘビー級チャンプに返り咲いたとき、かれは自分の
コーナーにひざまずき、やはり祈っていた。神職だから当たり前なのかもしれないが、妙に覚えている。
さて、この映画がどんなものなのか、興味がある。ラグビーの試合の描写とか、大統領と
代表チームの関係とか。でもなにより、ラグビー者としては、やっぱりなんか自分の好きな
スポーツが映画になっている、ということがうれしいのである。
観に行ってみようかと思う。
0 件のコメント:
コメントを投稿