今回の谷口青児杯、自分はNO8で出た。
試合後半、SHはフジイ君であったわけだが、これもOBチームの楽しさ、というものを感じた。
現役陣地ゴール前でのOBスクラムで、組む前にフジイ君が自分にぼそっと言った。
「 よこ、開くから。」
自分は「OK。」とだけ答えた。
さあ、この一言づつの会話の中に含まれていた意味合いとはこうだ。
「ボールを持って横に流れて相手バックローのディフェンスを釣るから、付いてきてほしい。」
「じゃあ、ボールが内に返されるっちゅうことだな、走りこむことにしよう、OK。」
要するにサイドアタックの打ち合わせだっただけだが、ほんまに一言ですんだ。
後で思い返してみると、不思議である。意思の疎通というものには、必ずしも言葉というのは
必要ないのだ。
そしてふたを開いてみれば、イメージしたとおりにことが運んだ。走りこんできた自分に、
フジイ君はここしかないというタイミングと位置でパスを返してくれたのである。会心のアタック
になった。思わず、走りながら「さっすが!」と叫んでしまった。
彼はセンスのいいSHだと思っていたが、確か一年以上ぶりのプレーではなかったかと思うのだが、
精度に関して、衰えてなかったことには感心したもんである。
昔取った杵柄、という言葉があるが、現役時代、まさに自分はNO8であり、フジイ君はSHだった。
そこであわせていた感覚というものが、未だに衰えず残っているのである。こういう実感は
貴重だし、甚だ興味深い。無意識のうちに昔の呼吸、パスの位置、走りこむコースのイメージが
戻っていたのである。人間のそういった能力というものはいったい何なのだろうと思わずには
おられない。
そういった思いを抱きつつ試合を楽しむことができた。
0 件のコメント:
コメントを投稿