イングランド代表に、かつてニール・バックという選手がいた。
代表在籍時期は90年代中盤から後半だったか。
身長は、アングロ・サクソン系にしては、またそのころから大型化の一途をたどりだしたラグビー界においては珍しく、178センチであるポジションは、フランカー。
いまでも170センチ台の選手はいるにはいる。ジョージ・グレーガン(豪)、ストリンガー(アイルランド)、シェ−ン・ウィリアムス(ウェールズ)。
彼らはみな172センチである。
これは自分とまったく同じ身長であり、体重もそんなに変わらない。
だが、彼らは共通してバックス、である。
かのニールバックに特筆すべきは、178センチの身長で、FWの、フランカーであったということだ。現在各国の代表選手といえば、190センチ超なんてざらである。
190センチの人と自分が並ぶと、「見上げる」。
はっきり言って、でかい。
それに筋肉をつけて結構なスピードで走り回るのが代表級なのであって、先日の日記に生モートロックを見たと書いたが、彼で192センチ、遠目に見ても、明らかにスケールが違うのだ。
しかも、物理的法則として、体が大きくなるのに比例して筋力が増すのである。
これはどうしようもない。小さい自分がやっとこさつけたパワーも、体が大きいという理由だけで楽に出せてしまうなんて事になるのだ。
不公平という言葉はこの場合当たるまい。しょうがないのだ。
ところがニール選手は、その体格差を乗り越えて激しいプレーを繰り返していた。スクラムの映像なんか見ていると、クマのようなFWたちの中でひときわ小さい。すげーなと思うと同時に。非常に短絡だと自分でも今にして思うのだが。
よし、自分もなんつって考えていた。
ニール・バックがこんだけできているのだから、自分だって。
などと、明確に比較の仕方を間違えているイメージを持ってしまっていたのである。
だってこの選手、タッパは確かにないが、横から見ると体の厚みは自分の倍はあった。腕なんて樫の木の丸太のように強そうである。しかし、小さい自分にとって励みになったのは確かだったのだ。
現在小さいFWというと、同じフランカーで豪州代表ジョージスミス、フィル・ウォーが有名だが、彼らはぎりぎり180センチ。その厚みはまた着ぐるみちゃうかと思うような人間離れしたものなのだが、ニール・バックが引退してから、170センチ台の代表バックローをいまだ見たことがない。
自分は今でも、ニール・バックだってがんばってたじゃないか!
とラグビー以外でも自分を励ますことが多々ある。
そしてイングランド代表と聞くと、ジョニー・ウィルキンソンでも、ローレンス・ダラーリオでもなく、思い出すのは、ニール・バックなのである。
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