この話、いつかどっかで書いたかもわからない。
今回車の中だったか外だったか、ある話でオナカさんと全く同じ
経験をしていることがわかり、書く。いや、エロではない。前回、
ちょっと反省している。
大変以前、自分は阪急高槻で知り合いと酒を飲み、メートルは上がり
に上がって盃を重ね、当然のごとく終電を逸した。
その時ハマモトは京芸の近くに生息していたので桂下車、高槻と桂、
微妙な距離なのである。
アルコールのしみわたった頭で思った。「あるこ。」
イナイチ、171号線こっから東にたどれば必ず京都にたどり着く。
さまよいようもないまっつぐ幹線道路。ま、夜明け前にゃ到着だろ。
阪急高槻からイナイチまですぐだし、夜中の散歩だ程度な気持ちで
歩き出した。
夜風も涼しいし、月がとっても青いからぁ~、とおまわりして
か~えろ~なんつってよてよて歩いたもんだ。
すると横手の田んぼに、自転車がひっくり返ってぶち込んであるのを
見つけた。こらどーみても「駐輪」ではないなと思ったのである。
い、いいかな。よかない。
「魔が差した」「できごころ」いろいろ言えようが、罪悪感は酔って
いる勢いではき飛ばし、その枯田の中から自転車を引っ張り出し、
乗ってみた。
タイヤに空気がほとんどなく、こぐたび少し歪んだ前輪がうにょん
うにょん波打ったが、ぜんぜんOKノープロブレム。やった早く帰れる
ぜと喜びもひとしおだった。
お読みの方々の予想に反することなく、まあその後すぐしょっぴかれ
たんだよ。
酔いで判断力、注意力がナメクジ級にまで落ちていた自分は、無灯火
のまま交番の真ん前を通過したのだ。当の自分は全く気付かなかった。
「夜中に目元も定まらずガタガタのチャリンコを無灯火で一生懸命
こぐ男」
そんなやつを止めない警官など社会の平和を守るあたわず!
おまわりちゃんにしてみれば、不審者が「声をかけてね」とウィンク
しながらやって来たも同じだ。
「おーいキミキミ!」
ひとことである。そこは、水無瀬駅前の交番だった。
交番の中に引きいれられ、お定まりの問答、飲酒判定自転車の登録照会。
時計の針は深夜1時を越えていた。
自分は、見事に盗難届の出ているブツにのっかっておった。ハマモト、
窃盗犯確定である。
おれ、お縄?
事情をこんこんと正直に話すと、情状酌量の余地ありと見たか、後日
高槻警察署に指紋を登録しに来ることを言われ、釈放と相成った。
しかし、捕まった人間を釈放するには、「身元引受人」というものが
必要ということで、誰かおらんかと聞かれた。誰かっつってもなあ、
夜中の2時近くだし、実家は鳥取県だし・・・。
あ、そうだ、あいつに頼もう。
結局、同回生のOBマスイ君にお願いすることにした。無職の自分に
対して彼はその時就職しており、社会的信頼もばっちりだ。なんせ
週に1回は会って飲んでいたので、深夜2時に起きてもらうにも
心安かったのだ。
電話で丑三つ時に起こされ、大変不機嫌そうな彼の声を今でも憶え
ている。
事情を話し、あやまり倒して引受人を承諾してもらった。
今もあるのか知らんが、「バーミヤン」の近くの彼の下宿まで、
パトカーでご送迎いただいた。頭には、「連行・犯罪者・ごくつぶし」
などの言葉が浮いては消え、車中でおまわりさんとよもやま話をした。
おまわりさんありがとう。
寝間着姿のマスイ君に出迎えられ、ひとまず部屋に入れてもらった。
去り際にマスイ君がおまわりさんに言った「お手数おかけしました、
すいません。」の言葉が耳を離れない。
そう、今の俺は「身元引き受けられ人」というミニマムな存在に
なり下がり、あげく親の代わりに同級生があやまってくれちゃって
るんだぜ、と実感し、かなりへこんだ。
マスイ君の部屋でサシに向かうと彼は言った。
「・・・バカだろおまえ。」
「いやー、やってもたわ!」
自分は、へっへと卑屈に笑うしかできなかった。たぶんマスイ君、
そんな態度の自分をシバきたかっただろうと思う。
しかしその後、マスイ君のおしかりを受けつつ結局二人して朝まで
飲んだ。
その時のマスイ君の部屋は山ほどジンのびんが転がっていて、また
パソコンの無かった自分はマスイ君のインターネットでエッチな
サイトなどを開いてもらい中学生のように喜んだりし、大変低レベル
な夜を明かしたのである。
翌日、帰りぎわにおがんだ朝日はさわやかで、じいんと心にしみた。
という、全く同じ体験をオナカさんと共有していることを知り、
一時とはいえ逮捕された者同士のバンド・オブ・ブラザーズを
感じることができたのである。
大変私的な実感なのだが、四芸エグチ号の中での話。
ちなみに事件の数日後、ばっくれることなしに自分は高槻警察署に
足を運び、指紋を両手指10本全部きっちり取られた。そのとき何人か
先客がおり、自分は「指紋採取の順番待ち」という奇妙な空間を
体験した。
何かを得るためでなく、法を犯した人間が「自分の指紋を取られる
ために」並ぶんである。とっても変な気がした。自分の前後に並ん
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