2014年3月13日木曜日

わざとじゃないんだ2

ほとんど廃人となっていて、やっと更新のはこびとなりて。

こんなことがあった。
クラブチームの試合に出ていた頃。
ゴール前ピンチ、相手ボールのラック、プロップの選手がサイド攻撃に来た。
そのまん前にいた自分は、思わず目をつぶって下を向いてタックルに
行ったしまった。一番危険な姿勢だった。
うわ、飛ばされる、と思っていたのだが、実際肩には「コツン」くらいの衝撃
しか感じず、顔を上げるとその選手はもんどりうって苦しんでいたのである。
え、なんで?
ナイスタックルとほめられたのだが、当の本人に実感が無いので不思議
だった。
こんなこともあるのである。

あきらかにガタイではハマモトが負けていたのだが、ほとんど相手の
体重を感じることなく仰向けに倒すことができたのは、ずいぶん時間が
経ってもたけども、前回の記事のことになる。
力の働く方向、タイミングなどの偶然がこれでもかと重なり、相手を
ふっ飛ばしてしまったのだ。自分で気付かぬ超能力でも無い限り、こんな
ことになるのはまあ力学の範囲においてである。

ハマモトのタックル力がすごいのだ。とは言いたい。しかしそうではない。

全くの偶然だ。
考えてみればこんなもんだったのではないか。
頭を下げてタックルに行ってしまった自分の上にのしかかる形で、相手
プロップは当たった。
しかし力の向きでいうならば、恐らく相手の運動ベクトルは「斜め上」向き
だった。そこに、反対向きの、より低い位置からの基点であった自分の
タックルの力が働いてしまったのだ。
しかも、二つの力がぶつかってできる「合力」が最高に近くなる角度で。
この場合、三角形の頂点に向かう二つの力が合わさり、真上向きの力
が発生したといえる。

前回書いたとおり、運動エネルギーの大きさは重さと速度で決まる。
もし、ハマモトに当たってきた選手の重さと速さエネルギーの多くが、
上記「真上向きの力」に変換されてしまったのだとすれば。
彼が自分に衝撃も与えずひっくり返ってしまったのは、畢竟彼自身の
運動エネルギーのおかげ、という他ない。

であるから、一番最初の命題「ミキ君をかち上げてしまったのは
ハマモトが悪いからではない!」ということが証明されるのである。
ミキくんは、自らの運動エネルギーの高さのゆえに「かち上がってもた」
のだよ。
けっして、ハマモトは危険なタックルをしたいと思ったのではない。そして、
ウェールズ代表キャプテン、サム・ウォーバートンも、悪気は無かったのだ。

だから、ペナルティーにはせんといて。
と叫びたいねおっちゃんは。

そして同じ泰造杯で、全く同じ原理でオナカさんにタックルをつぶされた。
自分の低い運動ベクトルを、オナカさんの、斜め上でなく下向きの力の
当たりによって押さえ込む形でいなされ、結果自分は地面にべしゃっと
突っ込むようにつぶされた。
で、ボールをつながれトライに行かれた。
これも、ハマモトが悪いのではなくオナカさんの当たり方が原因なのである。
だから、トライをとられたのは自分のせいではない。

よしっ。

大変理論的に弁解をかましてみたが、納得いただけただろうか。
えーとつまりやね、「かち上げ」がペナルティーというのは、タックラーに
とってはちょっとつらい、というお話なのである。




運動エネルギーの高い攻撃側。
相手を見てしまうため、どうしても「待ち」になる防御側。
いずれが有利かは一目瞭然。
ではなぜ攻撃側がかち上がってしまい、なおかつその原因は
攻撃側自身にあるのか。
この感覚は合気道、柔道経験者には自然に飲み込み易いかと思う。

柔道には、「空気投げ」という技がある。二種類あり、「浮き落とし」と
「隅落とし」。
共に伝説的な技だが、この技、かけた方は力を使わず、かけられた
方はなんで自分が飛んだのかわからない。
映像は、その「隅落とし」の開発者、三船久蔵 十段の様子だ。
ユーチューブってほんとになんでもあるのね。



まさに投げられる方は、自分の体重と力で飛んでしまっている。

映像はモノクロだが三船十段、赤帯である。赤帯まで行くと、ちょっと
信じられない強さの人たちが多い。多いっつっても、赤帯の先生なんて
そう何人もいないのだけど。
そして、こういった映像で眉唾物が多いわけだが、他は知らないがこれに関
してはまあ本当だと思う。
なぜなら、赤帯の下の「赤白だんだら」帯で60過ぎのおじいちゃんと試合形式の
練習をして、高校生で全盛期の自分はぽんぽん投げられまくったからだ。

「ほれ」と、まさに空気投げをされた。
「え?」と思った瞬間、自分の体は宙を舞っているのである。
実体験してしまった以上、信じる他ありまへんがな。

ちなみに、一応、自分は鳥取県代表でインターハイに出た。すぐ負けたけど。
そんな天狗になってるがきんちょを、その方は事も無く放り投げるんである。
ショックだったのでいまだに忘れない。
そんな人が「赤帯のまだ下」だっていうのだから。
本気になってつかみかかるハマモトを尻目に、おじいちゃん笑っとったからね。
古武術の影を残す柔道が、まだあった頃のこと。

ようするに、こういうこともラグビーで起こるというわけだ。





0 件のコメント:

コメントを投稿