2012年10月10日水曜日

いろいろあるな、いろいろな。

人生今までに2回、スカウトされたことがある。

1回目は6、7年前、大阪、天満橋あたりを歩いていたら、ゲイ関係の映像に出演
しませんかと声をかけられた。
そら、おったまげた。
「あなたなら、アイドルになれます。」とまで言われた。アイドル。
後になって、逆立ちしても自分の輪郭と重なることのないと思われたこの言葉が、
生きる角度をちょっと変えれば自分の肩書きになるのかと考えたりしたが、
いやいや。どだい無理だ。
声をかけてきた男性は言った。
「スポーツやってはるんですか。あ、ラグビー。いや~ボクもクラブチームで
やってるんですよお。」
ちょっとまて。
その当時、まさに自分は大阪の、あるクラブチームでプレーしていた。体、硬直。
試合する相手にこの人がいて「どうもこないだは~」なんてきた日にゃあ、一体
どうしたらいいんだおれ。

結局、半泣きで断った。「勘弁してください」と、謝り口調になってしまって。
以来、クラブチームの試合にその人がいないかと、気になって仕方がなくなり、
キックオフ前に相手のチームの顔を確認する癖がついてしまったのである。
あれは一つ人生の岐路だったのかなと、今にして思ってみたり。





さて、2度目は4日ほど前、連休中の夜のこと。
恥ずかしながら、ギターの練習をしている。コードしかできないが、4年ほど。
近所迷惑にならず、人通りも少なく、コードの読める照明のある場所ということで、
家の近所の、深夜のイバラキ市役所の広場で時々思いっきりやる。
がんがん弾いてくわーっと声出すのが上達の早道と勝手に思い込んでいるので、
くわーっとやっていた。
すると、自分の前に人影が二つやってきた。やばい。
自分は帽子を目深にかぶっていたので足しか見えないのだが、男女二人組み、
男性のほうは足がふらふらしている。酔っぱらっとるがな。
途中で演奏をやめて逃げ出すのもなんだなと思い、全部歌ったのだが、その間
男性がふらふらしながら「いえーっ!ふーっ!」と声を上げはる。
女性はというと素面な様子で、しょーがねーなーこいつは、といった感じ。
歌い終わるとふらふらの彼が言った。
「いやー君、いいよ。いい歌うたうねえ!もう一曲だけやってよ。」
来た。
僕、練習してただけなんです。とは言えなかったので、はい、ともう一曲歌った。
もう20年も前のブルーハーツの。
歌い終わってまた彼。
「やーわかるなあ。おれも君みたいに20代の頃はさあ、風船みたいにパーンと
この世からいなくなっちゃいたくなることもあったよ(曲中に”パーンとはじけて
飛んでいけ”というフレーズがあった)。いい歌だよねえ。」

自分、三十路も半ばなんですけども。
しかも、見れば彼、どう見ても自分より年下やないか。

おもむろに彼は自分にコピーを渡してくれた。
「ここねえ、ライブやってんだけど、今度君来て2・3曲やってよ。待ってるから。
じゃ、がんばれよ!ギター続けろよ!」
「は、はい、ありがとうございます。」
思わず返事までしちまった自分である。
そうして、彼はふらふらと帰っていったが、あの様子では翌朝忘れてるだろうな。
店の場所は京阪ネヤガワだが、のこのこ出向いていったら、なんだこのおっさん
という顔をされるんだろうな。

なにやら切なく悲しくなってしまったんである。
それは、20代のがんばっているギター兄ちゃんと間違われたからか、違う。
酔っぱらいにいいように言われたからか、それも違う。
向こうの間違いに乗っかって、そんなふりをしてお礼まで申し上げるという、
自分は「うそ」をついて彼らをだましてしまったのが情けなかったのだ。
こんな深夜(午前2時近く)に何をやっとんねん。と。

その日はもう、そのまま帰って寝た。
こういうのが人生っつうのかなあと思ったりした。

まあ、そんなわけはないがな。












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