間をおいてしまっている間に、また柔道界関係の問題が明るみに
出とるな。くらーいお金の動きとか。
こういった問題の噴出したチームは、間違いなく弱くなる。
どんなに体を鍛えても、心がついて来なければ実力など出せない。
首脳陣に対して不信感を抱く選手たちが、勝つことなど土台無理な話だ。
なかんづく、その国を代表するアスリートにおいてはなおさらのこと。
多分、しばらく日本柔道は低迷するのだろう。
以前も書いた話なのだが、かつて、1995年世界杯決勝戦で、NZ代表
オールブラックスが僅差で優勝を逃した翌日、NZ本国では体調不良を
うったえて病院に来る子どもが多かったのだという。
つまり、そういうことなのだ。
少なくともその当時、子どもらにとってオールブラックスはヒーロー集団
だったのだ。それが負けたということで、彼らは「がっかり」したのである。
それも心の底から、体調を崩すほどに。
ヒーローが負けるなんて、あってはならないことだったのだ。
この話は、「NZ代表」というものの意味を端的に表している。
単に強いチームでおわっていないのだ。
幾人かの子どもらの夢は「いつかあの漆黒のジャージを着る」ことであり、
その夢を胸にラグビーにいそしんでいる。それだけの価値を見出している。
夢のゴールがオールブラックス。
そのためになら、そらがんばれるだろう。むしろ当然の話といっていい。
元日本代表監督にして元NZ代表の伝説的選手、ジョン・カーワン氏の
インタビューにも書かれている。氏が代表に選ばれた時、先輩から
言われたそうである。
「一度オールブラックになったものは、生涯オールブラックである。」
プレーヤーはもちろん、首脳陣もその意味を理解するからこその
強さって、やはりあるのではなかろうか。
逆に言えば、意味を伴わぬキツさは「しごき」以外の何物でもない。
問題になっている女子柔道の問題はそこにあったのではないか。
選手たちは夢を追う意味を見失ってしまったからこそ、コーチ陣を
告発したのだ。だって、しんどいだけだもんね。
夢を持てなくなったヒーローはその存在価値を失う。だから、多分、
日本柔道は低迷するだろう。
これから力をつける子どもらにもう一度夢を与えなおさないと、
おそらく日本柔道はすたれてしまう。
少し時間をかけて、じっくり立て直してはどうか。
もう一度美しい、これこそと言える姿を見させて欲しい。海外で言うところの
「JUDO」でなく、あくまで「柔道」を。
そういった点で言うと、ラグビー日本代表には最近ワクワクさせられる。
以前よりスマートなかたちで強くなっているように見えるから。
単純にそれだけでいいのだけれど。
要するに、見ていて憧れることができるチームになってきているのでは
なかろうか。
自分が柔道をやっていた頃、古賀稔彦は確かにヒーローだった。
目の覚めるような一本背負いで自分に夢を与えてくれていたと思う。
しかし、自分が目指していたスタイルは実はこの人でなく、女性選手
山口香のそれだった。
すっと背筋を伸ばし、あごを引き、つり手、引き手をしっかりと組む。
すり足は流れるようだが、カミソリのような足技で相手を仕留めてしまう。
うーん、かっこいい。美しい。
自分はそれを極められなかったが、その気持ちがあったおかげで
今でも柔道が好きなんである。
だから諸君、まず何よりも「夢」なのだ。照れずに言う。だって本気で思うもん。
いくら勝てたって、夢のない強さに魅力なんかないのだ。
そう、そしてわれわれOBだって、ラグビーに未だ夢を失わないからこそ
気持ちは10メートル先を走ることができ、息切れしつつもボールを
追いかけられるのだ。
そうでしょ、きっと。
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